1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:02:05.015 ID:LdXQu4al0
上司「この死刑囚の執行を頼む」
刑務官「分かりました」
上司「本来は数人でボタンを押すが、今日はちょっとみんな立て込んでてな。一人でやってもらえるか?」
刑務官「……はい」
……
死刑囚「嫌だっ! 助けてくれえっ!」
刑務官「すまないな、こっちも仕事なんだ」ポチッ
ガタンッ
死刑囚「ぐえっ!」ギュッ
刑務官(終わった……)
刑務官「分かりました」
上司「本来は数人でボタンを押すが、今日はちょっとみんな立て込んでてな。一人でやってもらえるか?」
刑務官「……はい」
……
死刑囚「嫌だっ! 助けてくれえっ!」
刑務官「すまないな、こっちも仕事なんだ」ポチッ
ガタンッ
死刑囚「ぐえっ!」ギュッ
刑務官(終わった……)
引用元: ・https://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1633953725/
6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:07:04.342 ID:LdXQu4al0
刑務官「死刑執行完了しました!」
上司「えっ、もうやってしまったのか?」
刑務官「はい、やりましたけど」
上司「……まずいことになったな」
刑務官「どういうことです?」
上司「実はついさっき、あの死刑囚は冤罪だったことが分かった」
刑務官「は?」
上司「ようするに、君は罪のない人間を処刑してしまったことになる」
刑務官「なんですって!?」
上司「えっ、もうやってしまったのか?」
刑務官「はい、やりましたけど」
上司「……まずいことになったな」
刑務官「どういうことです?」
上司「実はついさっき、あの死刑囚は冤罪だったことが分かった」
刑務官「は?」
上司「ようするに、君は罪のない人間を処刑してしまったことになる」
刑務官「なんですって!?」
9: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:09:26.076 ID:CH3fL1PI0
ボタン押しただけで処刑したのは責任者だよね
10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:10:20.437 ID:LdXQu4al0
上司「このままじゃ君は……罪なき人間を殺したとして、当然捕まることになる」
刑務官「ちょ、ちょっと待って下さい。なんで俺が捕まるんですか!」
上司「だってボタンを押し、絞首刑を執行したのは他ならぬ君じゃないか」
刑務官「それはあなたが命令したからでしょう!」
上司「私は“執行を頼む”といっただけだ。“死刑を執行しろ”といったわけじゃない」
刑務官「いやでも、死刑囚に対しての執行なら普通死刑のことだと……」
上司「普通ってなんだね? 執行という言葉を拡大解釈して、あの死刑囚を殺したのは君だよ」
刑務官「そんな……」
刑務官「ちょ、ちょっと待って下さい。なんで俺が捕まるんですか!」
上司「だってボタンを押し、絞首刑を執行したのは他ならぬ君じゃないか」
刑務官「それはあなたが命令したからでしょう!」
上司「私は“執行を頼む”といっただけだ。“死刑を執行しろ”といったわけじゃない」
刑務官「いやでも、死刑囚に対しての執行なら普通死刑のことだと……」
上司「普通ってなんだね? 執行という言葉を拡大解釈して、あの死刑囚を殺したのは君だよ」
刑務官「そんな……」
13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:13:12.818 ID:LdXQu4al0
上司「しかも、こんな事態はただの殺人では処理できないだろう」
上司「刑務官が立場を利用して、冤罪の死刑囚を独断で処刑してしまう……絶対あってはならないことだ」
上司「“殺人以上の重罪”になることは間違いない」
刑務官「殺人以上……!」
上司「こうなったら、君が助かる道は二つしかない」
刑務官「なんでしょう!?」
上司「刑務官が立場を利用して、冤罪の死刑囚を独断で処刑してしまう……絶対あってはならないことだ」
上司「“殺人以上の重罪”になることは間違いない」
刑務官「殺人以上……!」
上司「こうなったら、君が助かる道は二つしかない」
刑務官「なんでしょう!?」
16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:16:37.023 ID:LdXQu4al0
上司「一つは死刑囚を蘇生させることだ」
刑務官「は……?」
上司「処刑した死刑囚が蘇れば、当然ながら罪はなくなる。簡単なことだろう?」
刑務官「そりゃそうですけど」
上司「一応、医者に蘇生を試みさせてみるといい」
刑務官「完全に絞まってましたし、医者なんかじゃ絶対蘇らせられませんよ!」
上司「とにかくやってみろ。そして、もう一つが……」
刑務官「は……?」
上司「処刑した死刑囚が蘇れば、当然ながら罪はなくなる。簡単なことだろう?」
刑務官「そりゃそうですけど」
上司「一応、医者に蘇生を試みさせてみるといい」
刑務官「完全に絞まってましたし、医者なんかじゃ絶対蘇らせられませんよ!」
上司「とにかくやってみろ。そして、もう一つが……」
19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:18:52.592 ID:dKbYQVawa
盗んでも返せばセーフ理論やめろ
20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:19:19.511 ID:LdXQu4al0
上司「冤罪ではなかったことを証明することだ」
刑務官「へ……?」
上司「つまり、あの死刑囚はれっきとした罪人だったことを証明する」
上司「そうすれば、悪人だったんだからどうとでも処理できる」
刑務官「はあ……」
上司「二つのうち、現実的なのはこっちだろうな」
上司「いずれにせよ、あまり時間はない。周囲をごまかせるのもせいぜい三日ぐらいだ」
上司「その間に二つのうちどちらかを達成できなければ……君は終わりだ」
刑務官「分かりました! 何とかやってみせます!」
刑務官「へ……?」
上司「つまり、あの死刑囚はれっきとした罪人だったことを証明する」
上司「そうすれば、悪人だったんだからどうとでも処理できる」
刑務官「はあ……」
上司「二つのうち、現実的なのはこっちだろうな」
上司「いずれにせよ、あまり時間はない。周囲をごまかせるのもせいぜい三日ぐらいだ」
上司「その間に二つのうちどちらかを達成できなければ……君は終わりだ」
刑務官「分かりました! 何とかやってみせます!」
26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:23:04.214 ID:LdXQu4al0
……
刑務官「いかがでしょう?」
医者「ん~、無理だねこれ。完全に死んどるよ。マッサージも強心剤も電気ショックも全部無駄」
刑務官「お、お願いします! なんとか蘇らせて下さい!」
医者「無理なもんは無理だよ」
刑務官「うう……」
医者「もっとも蘇生能力者でもいれば別かもしれんがね」
刑務官「蘇生能力者……?」
刑務官「いかがでしょう?」
医者「ん~、無理だねこれ。完全に死んどるよ。マッサージも強心剤も電気ショックも全部無駄」
刑務官「お、お願いします! なんとか蘇らせて下さい!」
医者「無理なもんは無理だよ」
刑務官「うう……」
医者「もっとも蘇生能力者でもいれば別かもしれんがね」
刑務官「蘇生能力者……?」
27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:26:23.243 ID:LdXQu4al0
医者「なんでもこの世には蘇生能力を持つ一族なるものがいて、代々その術は受け継がれ」
医者「その者にかかれば完全に死んでる者ですら蘇らせることができるそうな」
医者「しかし、そんな能力者を周囲が放っておくわけがない」
医者「ある悪の組織はその者を狙っているというし、一方国は保護しようと動いている……という話さ」
医者「ま、医学界に伝わるおとぎ話みたいなものさね」
医者「君がそいつを探し出し、連れてくることができれば、あるいは蘇らせられるかもな」
刑務官「そんなの連れてくるなんて出来るわけがない……!」
医者「ま、そりゃそうだろ。今の話は忘れてくれい」
医者「その者にかかれば完全に死んでる者ですら蘇らせることができるそうな」
医者「しかし、そんな能力者を周囲が放っておくわけがない」
医者「ある悪の組織はその者を狙っているというし、一方国は保護しようと動いている……という話さ」
医者「ま、医学界に伝わるおとぎ話みたいなものさね」
医者「君がそいつを探し出し、連れてくることができれば、あるいは蘇らせられるかもな」
刑務官「そんなの連れてくるなんて出来るわけがない……!」
医者「ま、そりゃそうだろ。今の話は忘れてくれい」
30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:33:40.522 ID:LdXQu4al0
医者「だが、何とかしないと君はまずいことになるぞ」
刑務官「え……?」
医者「表沙汰にはなってないが、実は前にもいたんだよ。私情で勝手に処刑を行ってしまった刑務官が」
刑務官「その人はどうなったんですか」
医者「囚人に大きな責任を持つ人間がそんなことしてしまったんだからね。当然、上は大いに怒った」
医者「その刑務官は凄まじい拷問の末、何ヶ月も地獄のような苦しみを味わいながら、惨死させられたそうだよ」
刑務官「ひっ……!」
医者「君のような若者が、くれぐれもそうならないように祈ってるよ」
刑務官「え……?」
医者「表沙汰にはなってないが、実は前にもいたんだよ。私情で勝手に処刑を行ってしまった刑務官が」
刑務官「その人はどうなったんですか」
医者「囚人に大きな責任を持つ人間がそんなことしてしまったんだからね。当然、上は大いに怒った」
医者「その刑務官は凄まじい拷問の末、何ヶ月も地獄のような苦しみを味わいながら、惨死させられたそうだよ」
刑務官「ひっ……!」
医者「君のような若者が、くれぐれもそうならないように祈ってるよ」
31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:35:33.717 ID:LdXQu4al0
上司「そうか、蘇生はダメだったか」
刑務官「はい……」
上司「だとしたら、もう一つの手段に賭けるしかないな」
刑務官「冤罪ではないという証明ですね」
上司「死刑囚は冤罪だと主張してる刑事の名を教える。行ってくるといい」
刑務官「分かりました」
刑務官(数ヶ月苦しんだ末の惨死……そんなの絶対ごめんだ!)
刑務官(こうなったら、絶対刑事さんの主張を崩すしかない!)
刑務官「はい……」
上司「だとしたら、もう一つの手段に賭けるしかないな」
刑務官「冤罪ではないという証明ですね」
上司「死刑囚は冤罪だと主張してる刑事の名を教える。行ってくるといい」
刑務官「分かりました」
刑務官(数ヶ月苦しんだ末の惨死……そんなの絶対ごめんだ!)
刑務官(こうなったら、絶対刑事さんの主張を崩すしかない!)
33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:38:21.696 ID:LdXQu4al0
刑務官「こんにちは」
刑事「ん、君は?」
刑務官「刑務官です」
刑事「刑務官? 刑務官が俺になんの用だい?」
刑務官「ある死刑囚についてお話を伺いたくて……」
刑事「ある死刑囚? あー、ひょっとして俺が冤罪じゃないかっていってる死刑囚?」
刑務官「そうです」
刑事「あいつ元気? そろそろ執行のタイミングだから、間に合ってよかったと思ってるんだよね」
刑務官(すでに処刑しちゃいました、とはいえない……)
刑事「なにしろ、あいつを逮捕したのは俺だったからね」
刑務官「え……?」
刑事「ん、君は?」
刑務官「刑務官です」
刑事「刑務官? 刑務官が俺になんの用だい?」
刑務官「ある死刑囚についてお話を伺いたくて……」
刑事「ある死刑囚? あー、ひょっとして俺が冤罪じゃないかっていってる死刑囚?」
刑務官「そうです」
刑事「あいつ元気? そろそろ執行のタイミングだから、間に合ってよかったと思ってるんだよね」
刑務官(すでに処刑しちゃいました、とはいえない……)
刑事「なにしろ、あいつを逮捕したのは俺だったからね」
刑務官「え……?」
34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:41:22.009 ID:LdXQu4al0
刑務官「あなたが逮捕したんですか!」
刑事「そだよ。捜査して、証拠を固めて、犯人はお前だってね。ドラマみたいだった」
刑務官「それなのになんで今になって冤罪を主張するんです? 自分のミスを認めてしまうようなものじゃないですか!」
刑事「まあね。だけど腑に落ちない点が色々多かったから、ずっと密かに捜査してたわけ」
刑事「そしたら、やっと見つけたんだよね。死刑囚のアリバイを証言できる目撃者を」
刑務官「目撃者……!」
刑務官(その目撃者をどうにかできれば、俺は助かるかもしれない!)
刑務官「その目撃者に会わせてくれませんか!?」
刑事「え、どうして?」
刑務官「お願いします!」
刑事「おいおい、まるで自分の命がかかってるような熱意だね」
刑務官(ホントにかかってんだよ!)
刑事「しょうがないな、手配しといてあげるよ」
刑務官「ありがとうございます!」
刑事「そだよ。捜査して、証拠を固めて、犯人はお前だってね。ドラマみたいだった」
刑務官「それなのになんで今になって冤罪を主張するんです? 自分のミスを認めてしまうようなものじゃないですか!」
刑事「まあね。だけど腑に落ちない点が色々多かったから、ずっと密かに捜査してたわけ」
刑事「そしたら、やっと見つけたんだよね。死刑囚のアリバイを証言できる目撃者を」
刑務官「目撃者……!」
刑務官(その目撃者をどうにかできれば、俺は助かるかもしれない!)
刑務官「その目撃者に会わせてくれませんか!?」
刑事「え、どうして?」
刑務官「お願いします!」
刑事「おいおい、まるで自分の命がかかってるような熱意だね」
刑務官(ホントにかかってんだよ!)
刑事「しょうがないな、手配しといてあげるよ」
刑務官「ありがとうございます!」
35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:44:36.397 ID:LdXQu4al0
刑務官(この人が……目撃者。死刑囚を見たっていう……)
目撃者「初めまして!」
刑務官「初めまして」
刑務官「さっそくですけど、あなたは事件当日の犯行時間、現場と違う場所で死刑囚を見たそうですね」
目撃者「ええ、見ました!」
刑務官「ひょっとして、別人じゃないんですか?」
目撃者「いえ、あれは間違いなく本人ですよ、本人!」
刑務官(それだと困るんだよ! 死刑囚のアリバイが証明されちゃう!)
目撃者「初めまして!」
刑務官「初めまして」
刑務官「さっそくですけど、あなたは事件当日の犯行時間、現場と違う場所で死刑囚を見たそうですね」
目撃者「ええ、見ました!」
刑務官「ひょっとして、別人じゃないんですか?」
目撃者「いえ、あれは間違いなく本人ですよ、本人!」
刑務官(それだと困るんだよ! 死刑囚のアリバイが証明されちゃう!)
36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:47:17.323 ID:LdXQu4al0
刑務官「実は見てないんでしょ?」
目撃者「見ましたよ!」
刑務官「かーらーの?」
目撃者「見てますって!」
刑務官「君、視力いくつ?」
目撃者「2.0です!」
刑務官「勘違いしやすい性格とか……」
目撃者「しません!」
刑務官「頼む、見てないっていってくれ!」
目撃者「ダメです!」
目撃者「見ましたよ!」
刑務官「かーらーの?」
目撃者「見てますって!」
刑務官「君、視力いくつ?」
目撃者「2.0です!」
刑務官「勘違いしやすい性格とか……」
目撃者「しません!」
刑務官「頼む、見てないっていってくれ!」
目撃者「ダメです!」
37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:50:09.935 ID:LdXQu4al0
上司「どうだった」
刑務官「……」
上司「ダメだったようだな。蘇生も、冤罪ではない証明も」
刑務官「はい……」
上司「なら君は終わりだ。せめてせいぜい死刑囚の遺体に謝っておけ。“殺してすみません”ってな」
刑務官「はい……」
刑務官「……」
上司「ダメだったようだな。蘇生も、冤罪ではない証明も」
刑務官「はい……」
上司「なら君は終わりだ。せめてせいぜい死刑囚の遺体に謝っておけ。“殺してすみません”ってな」
刑務官「はい……」
45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 21:57:22.297 ID:LdXQu4al0
刑務官「……」ブツブツ
刑務官「よみがーえーれー!」
ボァァァァァ…
死刑囚「……ん」パチッ
刑務官「よかった、蘇生できた!」
刑務官(状態が悪かったり、腐敗が進むと、蘇生も不可能だからな。決断を早くしてよかった)
死刑囚「あれ? 俺って死刑になったんじゃ……」
刑務官「どういうわけか助かったんだ。君は冤罪だった。まもなく釈放されるだろう」
死刑囚「はぁ……」
刑務官「よみがーえーれー!」
ボァァァァァ…
死刑囚「……ん」パチッ
刑務官「よかった、蘇生できた!」
刑務官(状態が悪かったり、腐敗が進むと、蘇生も不可能だからな。決断を早くしてよかった)
死刑囚「あれ? 俺って死刑になったんじゃ……」
刑務官「どういうわけか助かったんだ。君は冤罪だった。まもなく釈放されるだろう」
死刑囚「はぁ……」
46: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:00:17.173 ID:LdXQu4al0
上司「フハハハ……やはり君は蘇生能力者だったか」
刑務官「えっ!?」
医者「やっと見つけることができたねえ。苦労したかいがあったよ」
刑務官「え……え」
刑事「聞きしに勝る素晴らしい力だね」
目撃者「すごい瞬間を目撃しちゃいました!」
刑務官「なんで……みんな揃ってるんだ……」
上司「まだ分からんのか? 我々は君を追っている≪組織≫の者だよ」
刑務官「!!!」
刑務官「えっ!?」
医者「やっと見つけることができたねえ。苦労したかいがあったよ」
刑務官「え……え」
刑事「聞きしに勝る素晴らしい力だね」
目撃者「すごい瞬間を目撃しちゃいました!」
刑務官「なんで……みんな揃ってるんだ……」
上司「まだ分からんのか? 我々は君を追っている≪組織≫の者だよ」
刑務官「!!!」
48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:04:11.044 ID:LdXQu4al0
上司「君が蘇生能力者じゃないかと睨んだ我々は、まず組織の力で君の周辺に潜り込んだ」
上司「私のように上司になったり、医者や刑事として……」
刑事「それから俺が殺人事件を起こして、適当な犯人をでっち上げ、死刑囚に追い込んだ」
上司「続いて私が君にそいつの処刑を命じ、君に二つの道しかないと説明する」
医者「さらに私が、ありもしない刑務官惨死の話をして、君を脅す」
目撃者「僕は冤罪を証明する目撃者として、君に蘇生以外の道はないと悟らせる!」
上司「こうして君は蘇生能力を使わざるを得なくなった」
上司「蘇生能力者であると分かった以上、君を今すぐ拘束させてもらう。四人がかりでね」
刑務官「ぐ……!」
上司「私のように上司になったり、医者や刑事として……」
刑事「それから俺が殺人事件を起こして、適当な犯人をでっち上げ、死刑囚に追い込んだ」
上司「続いて私が君にそいつの処刑を命じ、君に二つの道しかないと説明する」
医者「さらに私が、ありもしない刑務官惨死の話をして、君を脅す」
目撃者「僕は冤罪を証明する目撃者として、君に蘇生以外の道はないと悟らせる!」
上司「こうして君は蘇生能力を使わざるを得なくなった」
上司「蘇生能力者であると分かった以上、君を今すぐ拘束させてもらう。四人がかりでね」
刑務官「ぐ……!」
50: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:07:14.712 ID:LdXQu4al0
刑事「こいつはどうします?」
死刑囚「ひっ!」
上司「ああ、そいつはもう用済みだ。殺しておけ」
刑事「分かりました」
刑務官「や、やめろ! せっかく生き返ったのに!」
刑事「喜びなよ。二度死ぬなんて、そうそうできる体験じゃないからね」
ゴキッ!
刑事「ぐはっ……」ドサッ…
刑務官「え……?」
死刑囚「ひっ!」
上司「ああ、そいつはもう用済みだ。殺しておけ」
刑事「分かりました」
刑務官「や、やめろ! せっかく生き返ったのに!」
刑事「喜びなよ。二度死ぬなんて、そうそうできる体験じゃないからね」
ゴキッ!
刑事「ぐはっ……」ドサッ…
刑務官「え……?」
51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:10:33.098 ID:LdXQu4al0
死刑囚「ふぅー」
上司「なんだと!? あいつの首を一瞬で……」
医者「何者だ!?」
死刑囚「俺か? 俺は……国家エージェントだよ」
死刑囚「蘇生能力者の保護と、お前ら悪の組織の壊滅を命じられてる、な」
上司「なにい!?」
死刑囚「お前らの計画を事前に掴んだ俺は、これで二つの任務を同時にこなせると喜んだ」
死刑囚「そして、そこの刑事にわざと逮捕されたってわけだ」
死刑囚「その後も心証最悪に振る舞って、検察も裁判官も怒らせ、さっさと死刑囚になってやった」
死刑囚「おかげで、こうして蘇生能力者と悪の組織の面々に会う事ができた」
上司「わざと絞首刑になるなんて……こいつが蘇生能力者じゃなかったら死んでたぞ!」
死刑囚「俺はプロだからな。任務のためならいくらでも命をベットするさ」
上司「なんだと!? あいつの首を一瞬で……」
医者「何者だ!?」
死刑囚「俺か? 俺は……国家エージェントだよ」
死刑囚「蘇生能力者の保護と、お前ら悪の組織の壊滅を命じられてる、な」
上司「なにい!?」
死刑囚「お前らの計画を事前に掴んだ俺は、これで二つの任務を同時にこなせると喜んだ」
死刑囚「そして、そこの刑事にわざと逮捕されたってわけだ」
死刑囚「その後も心証最悪に振る舞って、検察も裁判官も怒らせ、さっさと死刑囚になってやった」
死刑囚「おかげで、こうして蘇生能力者と悪の組織の面々に会う事ができた」
上司「わざと絞首刑になるなんて……こいつが蘇生能力者じゃなかったら死んでたぞ!」
死刑囚「俺はプロだからな。任務のためならいくらでも命をベットするさ」
53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:13:26.867 ID:LdXQu4al0
上司「くそっ、かかれ!」
医者「切り刻んでやるわ!」ダッ
目撃者「組織の邪魔はさせない!」ダッ
ゴキッ! メキッ!
ドサッ… ドサッ…
死刑囚「ラスト一人……」
上司「うぐ……うわぁぁぁっ!」ダッ
死刑囚「逃がすかよ」
ゴキッ!
医者「切り刻んでやるわ!」ダッ
目撃者「組織の邪魔はさせない!」ダッ
ゴキッ! メキッ!
ドサッ… ドサッ…
死刑囚「ラスト一人……」
上司「うぐ……うわぁぁぁっ!」ダッ
死刑囚「逃がすかよ」
ゴキッ!
56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:16:20.266 ID:LdXQu4al0
死刑囚「さて……」
刑務官「……! 俺も、殺すのか……」
死刑囚「いや、殺しはしない。保護させてもらう」
刑務官「それはモルモットになるということか?」
死刑囚「そうじゃない。あんたには蘇生能力を使うことなく、静かに暮らしてもらう」
死刑囚「ただし、顔や名前、身分などは変えてもらうことになるが……」
刑務官「いいのか?」
死刑囚「蘇生能力は世の理に反するもの、というのが上の考えだからな」
刑務官「俺もそうするつもりだった。だから文句はないよ」
刑務官「……! 俺も、殺すのか……」
死刑囚「いや、殺しはしない。保護させてもらう」
刑務官「それはモルモットになるということか?」
死刑囚「そうじゃない。あんたには蘇生能力を使うことなく、静かに暮らしてもらう」
死刑囚「ただし、顔や名前、身分などは変えてもらうことになるが……」
刑務官「いいのか?」
死刑囚「蘇生能力は世の理に反するもの、というのが上の考えだからな」
刑務官「俺もそうするつもりだった。だから文句はないよ」
59: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:19:17.072 ID:LdXQu4al0
刑務官「助けてくれてありがとう」
死刑囚「礼を言いたいのはこっちだ。おかげで四人も組織メンバーを始末できたからな」
死刑囚「こいつらのことを洗えば、組織壊滅にぐっと近づくだろう」
刑務官「それと、一度あんたを処刑してしまってすまなかった」
死刑囚「謝罪も不要だ。あんたはわざとやったわけじゃないし、一度死ぬ覚悟はしていたしな」
刑務官「ならいいんだが」
死刑囚「ああ、だけど一つ不満があるとすれば――」
刑務官「?」
死刑囚「せっかく死んだのに殉職した仲間に会えなかったのが残念だ。ちょっと期待してたんだが」
刑務官「あんたって人は……」
…………
……
死刑囚「礼を言いたいのはこっちだ。おかげで四人も組織メンバーを始末できたからな」
死刑囚「こいつらのことを洗えば、組織壊滅にぐっと近づくだろう」
刑務官「それと、一度あんたを処刑してしまってすまなかった」
死刑囚「謝罪も不要だ。あんたはわざとやったわけじゃないし、一度死ぬ覚悟はしていたしな」
刑務官「ならいいんだが」
死刑囚「ああ、だけど一つ不満があるとすれば――」
刑務官「?」
死刑囚「せっかく死んだのに殉職した仲間に会えなかったのが残念だ。ちょっと期待してたんだが」
刑務官「あんたって人は……」
…………
……
60: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:22:20.341 ID:LdXQu4al0
……
……
元刑務官「これ、できました」
課長「うん、ご苦労様。よし、今日はもう上がっていいよ」
元刑務官「はい、お疲れ様でした!」
元刑務官(まだ外は明るい……いい職場に勤められることになったな)
……
元刑務官「これ、できました」
課長「うん、ご苦労様。よし、今日はもう上がっていいよ」
元刑務官「はい、お疲れ様でした!」
元刑務官(まだ外は明るい……いい職場に勤められることになったな)
61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:25:59.105 ID:LdXQu4al0
元刑務官「んー、空気がうまい!」
元刑務官(あれから俺は国の力で、ある田舎町に逃がされ、静かに暮らしている)
元刑務官(悪の組織が狙ってくる気配はないし、どうやらここで最後の蘇生能力者として天寿を全うできそうだ)
元刑務官(蘇生能力者の俺がいうのもなんだけど……)
元刑務官「生き返ったような気分だ!」
おわり
元刑務官(あれから俺は国の力で、ある田舎町に逃がされ、静かに暮らしている)
元刑務官(悪の組織が狙ってくる気配はないし、どうやらここで最後の蘇生能力者として天寿を全うできそうだ)
元刑務官(蘇生能力者の俺がいうのもなんだけど……)
元刑務官「生き返ったような気分だ!」
おわり
63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:32:09.023 ID:jyWDpBPg0
最後はなんか良かった
乙
乙
62: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2021/10/11(月) 22:31:03.260 ID:piTACg5Mr
乙
死刑囚がかっこよかった
死刑囚がかっこよかった
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