1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:52:51.395 ID:lxqEXZ210.net
俺「ん?電話?チッ…またカーチャンかよ 無視無視」

俺「 早く帰ってアニメの最終話見たいお…デュフデュフ…w 」

俺「…!」

迂闊だった
俺が気付いた時にはトラックは目の前で今にも俺を轢かんとライトを照らした

俺「うわあああああああ!」



俺「??」

止まった
トラックが目の前で止まった




2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:53:18.605 ID:lxqEXZ210.net
いやトラックではなく止まったのは時間だった

俺「なんだよこれ…」

飛んでいた鳥もランニングをしていたオッサンも騒がしかった街も全て止まっていた

「…午後11時27分」

俺「!?」

「高校卒業後職にもつかず生活保護と親の仕送りで生活 2ちゃんねるやアニメ等生産性のない暮らしが始まる」

どこからともなく声が聞こえる

俺「誰だ!」

3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:53:31.992 ID:uKpddmTG0.net
俺だ

4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:53:51.156 ID:8PMB4ioZ0.net
お前か

6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:54:10.917 ID:lxqEXZ210.net
「そんなある日の夜 一人暮らしをしながら料理もできない彼はいつものように最寄りのコンビニエンスストアで食料を調達するがその帰り道さっきまで見ていたアニメの続きの事を考えながらスマホを見るのに夢中で赤信号になった横断歩道を渡り中型トラックに轢かれ死亡
最期の言葉は 早く帰ってアニメの最終話見たいお…と 」

俺「…なぜ俺のことを…」

「申し遅れました 僕は神です」

俺「は?」

「正確に言えばあなた担当の神です」

俺「か…神だぁ?」

「これからあなたは死にます
トラックに轢かれてね」

8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:54:39.077 ID:lxqEXZ210.net
俺「…なんだよこれ はははw こんな事あるわけねぇ きっと夢だ」

「夢なんかじゃないですよ」

その瞬間目の前のトラックが再び動きだした

俺「ぎゃあああああああ!」

そして今度は俺の数センチ前で止まった

俺「はぁ…はぁ…」

「信じてもらえたでしょうか」

俺「…」

俺「…じゃあ俺はもう死ぬのか…?ほんとに」

「はい」

9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:55:07.961 ID:lxqEXZ210.net
俺「…そんな…なんで俺が…」

「なんで俺が?よくそんな言葉が出てきましたね あなたがやっている生活はこの世界に何か利益をもたらしているのでしょうか?」

俺「な…」

「ただ無駄に時間を消費しているだけ そんなあなたがスマートフォンを見るのに夢中で轢かれて死ぬ…あなただけが悪いんだ
僕は見合った死に様だと思いますが 強いて言うならあなたを轢いてしまった妻と2人の子供を持つトラックの運転手さんとあなたの死体を処理する関係のない人達が可哀想だということですかね」

俺「なんなんだよお前…何が言いたい」

「こんな終わりでいいんですか?」

11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:55:41.751 ID:g4jUx53U0.net
面白い

14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:56:06.350 ID:lxqEXZ210.net
俺「え?」

「僕は時間を戻す事ができる
本来はダメなのですが」

俺「マジ?そんなこと本当にできるのか?」

「神は全知全能ですから」

俺「なら頼む!三分前に戻してくれ!」

「…」

「分かりました」

俺「おお!お前いい奴だな!」

その瞬間目の前が真っ白になりそして俺はコンビニの中のレジに並んでいた

16: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:56:48.362 ID:lxqEXZ210.net
俺「…!」

俺「本当に戻ってる…三分前に」

俺「はははwやったぜwあのアニメの続きを見ずに死ねるかっつうの」

ウイーン

とりあえずあの横断歩道を渡るのは危険だ
めんどくせぇけど歩道橋を渡ろう

俺「電話?…なんだカーチャンかよ」

18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:57:24.708 ID:lxqEXZ210.net
俺「それにしても神って本当にいたんだな…2chでしか見たことなかったわ」

俺が歩道橋の階段を歩いていると突如吹いた風と共に新聞紙がアニメのように俺の顔面を包み込んだ
バランスを崩した俺は20段以上ある階段から落下しかけた
しかしまた止まったのだ
普通では有り得ない角度で俺は空を見つめながら初めてジェットコースターを乗った時と同じ顔をしていた

「戻しましたよ三分前に」

俺「…!」

「でも残念ですねぇ 今度は風に煽られ飛んできた紙切れに視界を奪われて足を踏み外し階段から落下 頭を強打し死亡…ですか」

19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:58:22.421 ID:lxqEXZ210.net
俺「てめぇ…仕組んでんだろ!」

「いいえ 僕は何もしていません」

俺「嘘つけお前!ならもう一回戻してくれ!」

「嫌です」

俺「は?なんでだよ!」

「何度時間を戻してもあなたは死ぬ」

俺「え?」

「あなたは今日の午後11時27分丁度に死ぬと決まっているからです」

俺「なんだと…!」

20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:58:49.539 ID:lBtoJt5t0.net
ほむ

21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:58:52.325 ID:lxqEXZ210.net
「今時間を戻したのはあなたが疑い深い人間だからやって見せただけです」

俺「そ…そんなこと…次は気をつけて歩く!それで大丈夫だろ!」

「無駄です あなたの死は決まっています
例えばさっきあなたが渡った歩道橋での死を記憶した状態で時間を戻せばあなたは飛んできた未確認外来虫に首を刺され即死します」

俺「えっ」

24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:59:24.496 ID:lxqEXZ210.net
「今それを知ったあなたは着ていたジャージで頭を覆いながら歩道橋と反対側を走り横断歩道を右に曲がるでしょう そして前方から来た自転車にぶつかり指の骨を折ります 激痛の余り道路へ飛び出したあなたは同様に中型トラックにはねられ死亡します」

俺「ちょっと待てよ」

「なんでしょう」

俺「じゃあなんのために時間を止めたりしたんだ どうせ俺は死ぬんだろ」

「だから言ったじゃないですか そんな終わりでいいんですかと
あなたがこのまま死んでも誰も葬式に来ないしましてや知らないまま過ごす親戚だっているんですよ」

俺「…」

25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 22:59:56.010 ID:lxqEXZ210.net
「今のあなたに存在価値は無いどころか世界にとっては邪魔者扱いされてる
僕はそんなあなたの生き方が解せずにいた そして今日あなたは死ぬこととなった 僕はそんな終わりにしてほしくない」

俺「…」

「あと一度だけなら時間を戻す事ができます
しかし戻せるのは30分です その時間で出来ることは少ないですが今よりもっと立派な人間として死ぬ事は可能です」

俺「…分かった」

「これが本当に最後ですよ」

27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:00:26.020 ID:lxqEXZ210.net
「それでは戻します」

また目の前が真っ白になり今度は自分の部屋にいた

俺「戻った…」

俺「…」

アホか

なんで俺が立派な人間にならなきゃいけない
もう死ぬんだぞ

俺「…フヒヒwどうせ死ぬならこのアニメの最後を見なきゃな 丁度あと一話だし巻きで見ればいける」

28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:00:58.783 ID:lxqEXZ210.net
俺「フヒヒw」カタカタ

プルルルル

俺「あ?…あぁカーチャンか さっきからずっとかかってたしな」

俺「まあどうせ死ぬんだから別れの挨拶くらいしとくか」ピ

カーチャン「あらとってくれたのねぇ」

俺「…なに?」

カーチャン「元気してたかい?」

俺「は?なに?今時間ないんだけど」

29: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:01:31.882 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「あぁごめんね
実は話があって…」

俺「なんだよ」

カーチャン「カーチャンちょっとお仕事頑張りすぎちゃってねぇ
今病院なの」

俺「え?…あぁ…そう」

まあどうせ死ぬんだし関係ないか

カーチャン「それで悪いんだけど当分仕送りができないかもしれないの…ごめんね」

俺「あぁそれならいいよ 俺もう死ぬし」

30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:02:01.894 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「え?どういうこと…?」

俺「まあ詳しい事はいいから俺11時27分に死ぬ」

カーチャン「何言ってるの…そんなのだめよ…?」

俺「カーチャンも俺が死んでくれた方が楽だろ」

カーチャン「そんなわけないじゃない」

俺「…」

カーチャン「カーチャンはあなたを守るって決めてるの…俺君小さい頃言ってくれたでしょ…カーチャンの子供で良かったって」

俺「覚えてねぇしそんなの」

31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:02:31.473 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「でもその時カーチャンは本当に嬉しかったよ
それで決めたの カーチャンが死ぬまで俺君を守るって」

俺「…」

カーチャン「だから死ぬなんて言わないで」

俺「…」

俺「俺はもう死ぬんだよ」

ピッ

俺「…」

俺「死ぬ前に嫌な話聞いたわ」

俺「…さて早くアニメを見なきゃ」カタカタ…

俺「…」

32: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:02:46.735 ID:kVjV65MMa.net
やめてくれ







やめてくれ…

33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:03:05.122 ID:9A+uQhKo0.net
やめろ

34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:03:15.027 ID:lxqEXZ210.net
カーチャンはこんな俺を産んで幸せだったのだろうか
何をするでもなく怠惰に一日を過ごす子を守ろうとしていたと気付いた時も同じ気持ちでいたのだろうか

また電話が鳴っている

俺「…」

トーチャンだってそうだ
今は呆れられ音信不通だが昔は違った カーチャンと同じように優しく厳しい父だった

俺「…」

俺はついもし別の生き方をしていたら なんて事を考えてしまった

俺「…チッ」

36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:04:11.145 ID:lxqEXZ210.net
俺「あぁもう!こんなんじゃアニメもオチオチ見れねぇ!」

俺はPCを閉じてベランダに出た
死ぬと分かっていると不思議な気持ちになる

やけに夜景が綺麗だ
自分はこんなにも眺めのいいベランダのある部屋に住んでいたんだと思った
向かいのマンションの前の電信柱には俺と同じくらいの男達が電通整備をしていた
彼らは汗水を垂らしていたが笑いながら談話していた

俺「…」

俺「はぁあ…ねむ…」

俺は思ってもないことを口にしてそれを眺めていた
やはり死ぬと分かっていると気がおかしくなる

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:04:43.020 ID:Z/BoUqWF0.net
あるある

38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:04:50.084 ID:ZXgcm7vB0.net
つらい

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:05:06.298 ID:It1sc1b00.net
ロスタイムライフってドラマを思い出した

40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:05:19.032 ID:lxqEXZ210.net
気がつくと11時22分…残り5分

俺は後悔し始めていた
もっとマシな生き方ができたんじゃないかと

俺「くそっ…なんだよこんな死ぬギリギリになって」

プルルルル

俺「…」

ピッ

カーチャン「…やっと出てくれたね 急に切るからカーチャン驚いちゃったよ」

俺「…」

死ぬっつったろ もうすぐ

42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:05:52.783 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「…カーチャンさっきトーチャンと話したわよ あなたのことで
トーチャンは自分の育て方が悪かったんじゃないかってずっと心配してるらしいわ」

俺「…」

嘘つくなよ
トーチャンがそんなこと考えてるわけない

カーチャン「…ごめんね カーチャンも俺君の気持ちもっと考えてあげてたら…」

俺「…」

考えてないだろ俺のことなんか

43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:05:53.408 ID:kVjV65MMa.net
ああああああああああああああああああああああああああああああ

44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:06:41.222 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「…」

幸せなわけないだろ
俺なんか育てて

俺「バカかよ…」

カーチャン「え?」

俺「本当の事言えよ なんでもっとちゃんと育たなかったんだって 俺が真面目に勉強して働いてたらって」

カーチャン「…」

俺「…なんで」

俺「なんでだよ…なんでもっと真面目に生きなかったんだ俺は」

後悔してしまった もう死ぬのに

46: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:07:00.316 ID:zSFAKcj00.net
悲しいなあ

47: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:07:17.002 ID:lxqEXZ210.net
カーチャン「…」

俺「カーチャン…」

カーチャン「…ん?」

俺「ごめん」

カーチャン「え?」

残り10秒

俺「飯の世話とか色々ありがとう」

カーチャン「どうしたの俺君?」

俺「…」

俺は10年ぶりに涙を流した
そして初めて心から願った

俺「生きたい…」

48: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:07:32.997 ID:OL2uM9Db0.net
想像してた展開と違う…

50: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:08:06.429 ID:lxqEXZ210.net
3…2…1…

俺は膝をつきうずくまった

11時27分


「どうでした?」

俺「…」

「後悔したんですね」

俺「…」

「死ぬ直前にならないと分からない事だってありますよ」

俺「俺はもっとまともに生きるべきだった…」

「あなたはそう感じたのですね」

53: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:09:04.376 ID:lxqEXZ210.net
俺「…」

「ところで僕が言った事を忘れたのですか」

俺「…あぁ悪い…結局最初とあんま変わってないな」

「いいえ 顔をあげてください」

俺「え?」

俺「あれ?」

俺はベランダにいた

「僕は全知全能だと言ったはずです」

55: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:10:56.936 ID:lxqEXZ210.net
「本来長く生きるべき人間の寿命を一時的に縮めることくらい簡単ですよ」

俺「え…」

「あなたはまだ死ぬべき人間ではない
ただあなたの生き方が少し不甲斐ないと感じたので悪戯をしました」

俺「…!」

「でももう大丈夫ですね」

「それでは」

俺「…」

まだ電話がつきっぱなしだった

俺「…カーチャン」

俺「俺…生きてるよ」


おわり

59: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:12:04.449 ID:zSFAKcj00.net
>>55
感動のラスト

56: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:11:51.050 ID:BhjDnHNl0.net
いい話かよ……

57: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:11:55.117 ID:2GONmxbfp.net
明日から頑張ろう

58: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:11:58.502 ID:mwisyYPh0.net
終わりかよ




いい話だった

70: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:13:34.044 ID:lxqEXZ210.net
ありがとう

64: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:12:33.348 ID:Ny1VNZbr0.net
ハッピーエンドが一番だな

67: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:13:10.572 ID:1r5b2aDO0.net
自分を見つめ直すためのきっかけって大事だよな

74: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:16:07.604 ID:PC4SLii00.net
今のvipじゃ珍しい良作

84: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:27:32.507 ID:R2/yfyYo0.net
面白かったわ乙

75: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2015/06/04(木) 23:17:20.245 ID:8cyxq/ER0.net
俺も変わらなきゃな
>>1乙 考えさせられたわ

引用元: 神「お前担当の人間スペ低いけどこいつでいいよな?ww」神の子「…分かりました」