1: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:20:26 ID:L9V
「君はルートだよ。どんな数字でも嫌がらず自分の中にかくまってやる、実に寛大な記号、ルートだ」

小川洋子『博士の愛した数式』


引用元: 本の印象に残っている一文を書いていくスレ





2: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:23:21 ID:L9V
ある時は部屋全体が巨大なる万華鏡です。からくり仕掛けで、カタリカタリと廻る、数十尺の鏡の三角筒の中に、花屋の店をからにして集めてきた、
千紫万紅が、阿片の夢のように、花弁一枚の大きさが畳一枚にも映ってそれが何千何万となく、五色の虹となり、極地のオーロラとなって、見る者の世界を覆いつくす。

江戸川乱歩「鏡地獄」



4: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:27:00 ID:DrQ
>>2
いいね~



3: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:26:15 ID:L9V
「でもね、スペースシャトルが打ち上げられるフロリダの抜けるような青い空って、絶対、私に似合うと思うんだ。この点だけは、私は誰にも負けないと思うんだ。
私なら、フロリダの抜けるような青い空の下を、笑いながら発射台に向かって歩いてみせる」

向井万起男『君について行こう 女房は宇宙を目指す(上)』

補足:宇宙飛行士の向井千秋さんが旦那さんに言った言葉(ノンフィクション)

65: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:38:50 ID:kha
>>3
好き

5: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:28:29 ID:h8c
各人の魂のどん底には、彼を英雄たらしめる高貴な火花が潜んでいるが、その火花は華々しく燃えることに疲れ易い──ただ運命的な瞬間のくる場合だけ、それは焔となって燃えあがり、偉大なる行為を照らすのである。

トルストイ「セヴァストーポリ」

48: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:25:44 ID:Vlc
>>5
トルストイさすがな文ですね~

6: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:29:31 ID:L9V
「空っぽの寝台で生涯を送る男は、想像力のなかでしか生きられない」

『幻想図書館』 寺山修司

7: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:30:44 ID:h8c
人間が人間として完成しない限り、人間になるには今後もなお英雄的な心が必要だろうから。

フチーク「絞首台からのレポート」

8: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:32:28 ID:L9V
その人のことをだれも話さない、それに、だれにも話しかけてももらえない、なんてひとがいたら、そのひと、だんだん消えてってしまうに違いないぞ。
だって、自分がいるって、信じられなくなってしまうもの。

『ムーミンパパ海に行く』

9: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:35:13 ID:L9V
“知り合いがわんさといたって、友だちはひとりもいない”ってことは、ありうるんだよ。

『ムーミン谷の仲間たち』

10: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:35:15 ID:kF1
信じるに値しないことを信じる、それだけが本当の意味で、信じるっていうことなんだとぼくは思う

『エンジェル・ハウリング』

55: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:33:17 ID:Vlc
>>10
信念の少年や!

11: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:38:19 ID:L9V
私は、友が無くては耐へられぬのです。
しかし、私には、ありません。
この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。
そして、私を、あなたの友にしてください。

八木重吉『秋の瞳』

詩集の最初のページに書いてある言葉や

52: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:29:11 ID:Vlc
>>11
八木重吉 信頼できそうな人やね

57: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:33:47 ID:L9V
>>52
29歳の若さで病死した詩人やな
この人の詩は素朴でどこか寂しくて好きやわ

62: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:36:19 ID:Vlc
>>57
そんなに若くして…神がそばにおきたかったんやな

64: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:38:28 ID:L9V
>>62
八木重吉の詩は一部が青空文庫で読めるのでぜひ

自分語りやけどワイが家出して親元から離れた時にこの二冊だけ持っていったわ

69: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:41:53 ID:Vlc
>>64
読むわ さんがつ!
(奇遇やなワイも家出組や)

12: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:39:42 ID:6aC
そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな

ヘルマン・ヘッセ『少年の日の思い出』

14: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:41:54 ID:Vlc
秋は来ぬ紅葉はやどにふりしきぬ
道ふみわけてとふ人はなし

古今和歌集や

15: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:43:00 ID:L9V
>>14
古今和歌集が出てくるとは思わなかったわ
でもいい一文を教えてくれてサンガツ

18: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:47:34 ID:Vlc
>>15
てれますがな ありがとナス

16: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:45:14 ID:L9V
何の権利があって…そう思いました。
何の権利があって、俺を除け者にするんだ、と。
いったいどういう権限があって、他人の大切なものには何の価値もないと鼻で笑えてしまえるんだと。自分が持っているものだけが美しく、そして価値があるのであって、それはおまえなんかには一生手に入らないものなんだ、と馬鹿にできるのか。

西澤保彦『彼女が死んだ夜』

17: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:47:19 ID:G0G
花よ美しいものたちよ
なぜいつもおまえたちのそばに死があるのか

星野富弘

21: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:48:44 ID:L9V
自分の人生を他人に干渉してもらいたい。
それが、愛されたい、という言葉の意味ではありませんか?

森博嗣『すべてがFになる』

22: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:50:48 ID:L9V
憎しみで生きている人間にとって死ぬことなどこわいことではないのじゃ
生きる気力をなくしたまま生きることにくらべればな

いがらしみきお『ぼのぼの』

24: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:53:01 ID:Vlc
あの夏の終わり 今でもはっきりと思い出せる公園での日々
子猫とぼくは
たしかに
家族だったのです

ふたりのねこ ヒグチユウコ

25: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:54:17 ID:L9V
自分で在れ
自分だけで在れ
それによって
孤独を背負わされようともじゃ

スナドリよ
『ふり』などやめろ

自分以外のものを受け入れようとすれば
すべて『ふり』になる

いがらしみきお『ぼのぼの』

26: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:58:11 ID:L9V
ああほんとうにどこまでもどこまでも
僕といっしょに行く人はないだろうか

宮沢賢治『銀河鉄道の夜』

27: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)22:59:17 ID:L9V
「期待して、人生に助平になってると、ガツーンて一発夢を壊されて、恥ずかしい状態になってしまう。」

漫画家のみぎわパンの言葉

29: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:00:41 ID:vMd
全世界がひとつの舞台
そして人間はみな役者にほかならぬ

W・シェイクスピア 『お気に召すまま』

153: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:51:10 ID:WXu
>>29
ええなあ 名言やね

30: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:01:47 ID:iVV
文章記憶してるとか凄ヨ

31: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:02:32 ID:L9V
>>30
実はメモしてまとめてるんや……

36: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:04:05 ID:tLB
その男の写真を三葉持っている

37: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:04:31 ID:WBL
>>36
人間失格か

38: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:06:13 ID:L9V
ひとりになった。
一人になった。
むしろの上はさみしいな。

私は知らない あの子が先よ。
だけどもだけども、さみしいな。

お人形さんも ひとりになった。
お人形抱いても、さみしいな。

あんずの花が ほろほろほろり。
むしろの上はさみしいな。

金子みすゞ「喧嘩のあと」

39: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:07:14 ID:h8c
存在の頂点に爪だちする生命の熾烈な発作において、彼は一躍して彼方の岸に達する。鑿と槌との響きが未だ消え去らぬ間に、喇叭が未だ吹き終われない間に、この幸福な星を持ち血気に満ちた魂は栄光の雲を曳いて霊の世界に飛び去るのである。

スティーヴンスン「若き人々のために」

44: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:16:51 ID:Vlc
>>39
詩的な格調高い文やね
ワイには難解やがすこ

40: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:09:03 ID:2o7
 余談のようになりますが、私はいつだか藤村と云う人の夜明け前と云う作品を、
眠られない夜に朝までかかって全部読み尽し、そうしたら眠くなってきましたので、
その部厚の本を枕元に投げ出し、うとうと眠りましたら、夢を見ました。
それが、ちっとも、何にも、ぜんぜん、その作品と関係の無い夢でした。
あとで聞いたら、その人が、その作品の完成のために十年間かかったと云うことでした。

太宰治「小説の面白さ」

54: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:31:53 ID:Vlc
>>40
太宰くん おとぼけやなあ

41: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:11:48 ID:L9V
空襲で炎に包まれる、なんてことは、皆で一緒に不幸になる式のことで、孤立にくらべれば、リクリエーションみたいな感じさえすることなんだ。

色川武大『うらおもて人生録』

45: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:18:39 ID:Vlc
>>41
この人はこんな哲学的なこと書く人なんか!

42: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:13:09 ID:Vlc
彼のお母さんは彼を怪獣といいました すると彼はお母さんに
「お前を食っちゃうぞ」と言い返しました
すると彼は夕飯ぬきでベッドにいくはめになりました

怪獣達のいるところ センダック

46: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:24:36 ID:2o7
「おれだ!おおきいやぎのがらがらどんだ!」とやぎはいいましたそれはそれはひどくしゃがれたがらがらごえでした。
「ようし、それではひとのみにしてくれるぞ!」と、トロルがどなりました。
「さあこい!こっちにゃ二ほんのやりがある。これでめだまはでんがくざし。おまけに、おおきないしも二つある。にくもほねもこなごなにふみくだくぞ!」
こうおおきいやぎがいいました。そしてトロルにとびかかるとつのでめだまをくしざしに、ひづめでにくもほねもこっぱみじんにして、トロルを谷川へつきおとしました。

ノルウェーの昔話「三びきのやぎのがらがらどん」

78: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:45:05 ID:3zQ
>>46
持ってたわ、本当に恐ろしいヤギだよな

89: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:48:59 ID:Vlc
>>46
>>78
題しか知らなかった 微笑ましい話とばかり思ってたわ

86: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:47:31 ID:2o7
>>78
なぜか子供の頃にトロルの方に感情移入してもうて
やたらと悔しかったことを覚えてるわ

47: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:25:43 ID:L9V
それから、ナイチンゲールは最後にひと声高く歌いました。白い月がそれを聞いて、あかつきを忘れ、そのまま空でためらっていました。
赤いばらがそれを聞いて、うっとりと全身をうちふるわせ、花びらを冷たい朝の空気に向って開きました。

オスカー・ワイルド「ナイチンゲールとばらの花」

49: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:27:43 ID:Vlc
>>47
ワイルドいいね

50: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:29:05 ID:kIF
ええスレやな

56: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:33:34 ID:2o7
桜の樹の下には屍体が埋まっている!
これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。
俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。
しかしいま、やっとわかるときが来た。
桜の樹の下には屍体が埋まっている。これは信じていいことだ。

梶井基次郎「桜の樹の下には」

58: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:34:39 ID:OO9
わたくしといふ現象は 仮定された有機交流電燈の 一つの青い照明です
宮沢賢治 春と修羅より

61: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:36:08 ID:tLB
>>58
ほんま天才やで

59: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:34:39 ID:L9V
孤独なカウボーイよ。どこまでもゆくがいい。おまえが、忠実なピアノでモーツァルトを奏でるとき、ミニョース川ののたうつ流れが伴奏してくれるだろう。そして、雲までものが、神々しい音色の三十二音符たりとも聞き逃すまいと、足音をしのばせて静かに空を渡ってゆくだろう。

ジャンニ・ロダーリ「ピアノ・ビルと消えたかかし」

60: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:35:53 ID:WBL
「若い頃、僕は、自分は清廉潔白だという考えをいだいて暮らしていた。
つまり、全然、考えなどというものをいだいてなかったわけだ」

カミュ『ペスト』

63: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:38:09 ID:2o7
八 火花

 彼は雨に濡れたまま、アスフアルトの上を踏んで行つた。雨は可也烈しかつた。彼は水沫の満ちた中にゴム引の外套の匂を感じた。
 すると目の前の架空線が一本、紫いろの火花を発してゐた。彼は妙に感動した。彼の上着のポケツトは彼等の同人雑誌へ発表する彼の原稿を隠してゐた。彼は雨の中を歩きながら、もう一度後ろの架空線を見上げた。
 架空線は不相変鋭い火花を放つてゐた。彼は人生を見渡しても、何も特に欲しいものはなかつた。が、この紫色の火花だけは、――凄まじい空中の火花だけは命と取り換へてもつかまへたかつた。

芥川龍之介「或阿呆の一生」

67: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:40:40 ID:vMd
これから、ぼくの知っている秘密を教えてあげるよ
とても簡単なことさ
心でみなければ、よく見えてこない
大切なものは目には見えないんだ

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』

68: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:40:58 ID:L9V
僕は二十歳だった。それが人の一生で一番美しい年齢だなんて誰にも言わせない

ポール・ニザン『アデン・アラビア』

72: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:43:10 ID:PD1
メロスは激怒した
必ずかの邪知暴虐の王を除かねばならぬと
メロスには政治がわからぬ

メロスただのバカやん…

73: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:43:24 ID:kha
>>72

75: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:43:29 ID:OO9

74: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:43:26 ID:nV5
ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、
悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。

サガン「悲しみよこんにちは」

76: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:43:37 ID:L9V
自分が頭が悪かろうが、面がまずかろうが、財産がなかろうが、それが自分なのだ。それは“絶対”なんだ。

岡本太郎

79: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:45:49 ID:2o7
「酒を二合燗けてくれ。それから豆を一皿」
「馬鹿に景気がいいぜ。これやテッキリ盗んで来たに違いない」
とわざと大声出して前の一人が言うと、孔乙己は眼玉を剥き出し「汝はなんすれぞ斯くの如く空に憑って人の清白を汚す」
「何、清白だと? 乃公はお前が何か家の書物を盗んで吊し打ちになったのをこないだ見たばかりだ」
孔は顔を真赤にして、額の上に青筋を立て
「窃書は盗みの数に入らない。窃書は読書人の為す事で盗みの数に入るべきことではない」

魯迅「孔乙己」

83: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:46:56 ID:L9V
白いボールを投げて打って走ってるのんきな連中と、人には見えるかもしれない。でもね、誰にだって好きなことはあるだろう。どうしてかは、わからない。だけど、アリスは野球が大好きなんだ。

北村薫『野球の国のアリス』

野球好きにはグッと来る

87: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:48:29 ID:L9V
イタリー人が給仕していないイタリヤン・レストラン、中国人が給仕していない中華料理店、で食事する味気なさは、たとえばイギリス人の給仕で、イギリス料理を食べるのに匹敵すると思うのですが

伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』

91: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:50:13 ID:WBL
>>87
ひでえw

90: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:49:20 ID:3zQ
「そうか、つまり君はそういうやつだったんだな」

ヘルマン・ヘッセ[少年の日の思い出]

94: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:51:13 ID:8fG
僕は本当は十年も前に始められたことを、今やり始めたのだ。
二十年も待たなかっただけ、少なくとも僕は幸せだよ。

パウロコエーリョ『アルケミスト』

95: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:51:38 ID:L9V
ただかけっこだけするには、僕らの人生はあまりにも美しい

パク・ミンギュ『三美スーパースターズ最後のファンクラブ』

97: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:52:53 ID:2o7
思わぬご不興に愕然とした博士は、直ちに、これが奸譎な文字の霊の復讐であることを悟った。
 しかし、まだこれだけではなかった。数日後ニネヴェ・アルベラの地方を襲った大地震の時、博士は、たまたま自家の書庫の中にいた。
彼の家は古かったので、壁が崩れ書架が倒れた。夥しい書籍が――数百枚の重い粘土板が、文字共の凄まじい呪の声と共にこの讒謗者の上に落ちかかり、彼は無慙にも圧死した。

中島敦「文字禍」

101: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:56:40 ID:L9V
「お日さん、お日さん。どうぞ私をあなたの所へ連れてって下さい。灼けて死んでもかまいません。私のようなみにくいからだでも灼けるときには小さなひかりを出すでしょう。どうか私を連れてって下さい」

宮沢賢治「よだかの星」

105: 名無しさん@おーぷん 2018/10/12(金)23:58:03 ID:nXH
人間のつくりあげたシステムに絶対という言葉ほど似合わぬものはない。
そこに問題が生じる。その欠点を利用し利益を得るものもいる。

佐藤大輔『チンパンジーがシェイクスピアをタイプする日』

109: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:02:36 ID:8JQ
酒飲みのワイの為の漢詩
http://kanshi.roudokus.com/gekkadokusyaku.html

月下独酌 
花間一壼酒
獨酌無相親
舉杯邀明月
對影成三人
月既不解飮
影徒隨我身
暫伴月將影
行樂須及春
我歌月徘徊
我舞影零亂
醒時同交歡
醉後各分散
永結無情遊
相期遥雲漢


花を愛でながら一人酒を酌む
杯を挙げて名月を迎え影と共に3人となる
しかし月は酒を解しないし
影は我が身にならうだけだ
まぁ暫く月と影をともに春を楽しもう
私が歌えば月はただよい
私が舞えば影もゆらめく
醒める時は互いに交わい
酔える時は別れよう
無情の月と影と長く親しみ
天の川で再会しようと話すのだ

111: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:04:05 ID:m20
Q .もし無人島に何か一つ持っていくとしたら?
A.明日

自殺した小瀬浩之がオリックスのファンクラブ向けの冊子で書いてた
自殺する数ヶ月前のことや
あとID変わったけど>>1

132: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:15:47 ID:WXu
>>111
繊細な天才だったんやろな こんな答え凡人はでない

136: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:17:43 ID:m20
>>132
自殺した少しあとに読んで泣いてしまったわ
小瀬自身が持つべき明日を持っていないことを誰よりも知ってたんやないかな
それでこの答えが出てきたのかなって
ほんまに繊細な野球選手だった

140: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:21:37 ID:WXu
>>136
イッチの文でしって今ぐぐったらわかすぎて辛かったわ
何処かで幸せにいきかえっていると思うしかない

114: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:07:05 ID:trr
煮豆持作羹  豆を煮て以て羹と作し
漉支以爲汁  支を漉して以て汁と爲す
稘在釜下燃  稘(まめがら)は釜の下に在りて燃え
豆在釜中泣  豆は釜の中に在りて泣く
本是同根生  本と是れ根を同じくして生じたるに
相煎何太急  相煎ること何ぞはなはだ急なる

曹植 『七歩詩』

実は後世の創作だったなんて知りとう無かった…

116: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:08:08 ID:YWk
>>114
パッパの詩の方が好き

119: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:11:08 ID:trr
>>116
アニキの詩もすこ
曹一族って詩文の才能ある奴が多いンゴねえ…

123: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:11:57 ID:8JQ
>>116
ワイ酒飲み、短歌行がたまらん

126: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:12:49 ID:sqH
>>123
ルバイヤートは酒飲みの四行詩ばっかやで
なお酌をするのは男の娘

115: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:07:40 ID:YWk
白鯨とか読んでると回りくどい表現多くて嫌いではないんだけどイライラするンゴねぇ

122: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:11:36 ID:sqH
>>115
めっちゃ面白いけど、まず鯨の薀蓄が多すぎて

117: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:10:01 ID:zTq
漢詩なら李賀がすこすこ
個人的な考えやけど山月記の李徴の元ネタやと勝手に思ってる

118: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:10:51 ID:YWk
山月記の漢詩もええよな

127: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:13:47 ID:m20
自分の真実の姿を告白して、それによって真実の姿をみとめてもらい、あわよくば真実の姿のままで愛してもらおうなどと考えるのは、甘い考えで、人生をなめてかかった考えです。
というのは、どんな人間でも、その真実の姿などというものは、不気味で、愛することの決してできないものだからです。

三島由紀夫『不道徳教育講座』

これほど心に刺さった文はない

130: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:14:35 ID:YWk
>>127
今読んでる本でびっくりやわ

131: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:15:47 ID:m20
>>130
奇遇やな
友達を裏切れという部分とか弱いものをいじめろとかいう部分も刺さったわ

137: :名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:19:57 ID:d6p

「この世への誕生という変化(無から生じたor生まれ変わって)でこの世から離れたくないという状態が生じたではないか
ならば次の死という変化も恐れる必要はないではないか」

                          トルストイは「人生論」

143: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:24:28 ID:UtO
「赤い部屋」の中には、どこの隅を探してみても、もはや、夢も幻も、影さえとどめていないのであった。

江戸川乱歩 『赤い部屋』

144: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:24:36 ID:trr
自分が、亡き妻の墓参りをする老人になったことが腹立たしい。
かつては人間だった腐敗した肉と骨のかたまりは、もはや人間ではない。

ジョン・スコルジー 『老人と宇宙』

145: :名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:25:15 ID:d6p
「悪魔は最大の神学者」

もし本の一節なら知ってる人 どの本か教えて

147: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:26:55 ID:zTq
人は有字の書を読むを解して、無字の書を読むを解せず。有絃の琴を弾ずるを知りて、無絃の琴を弾ずるを知らず。迹を以て用いて、神を以て用いず、何を以てか琴書の趣を得ん。

洪自誠「菜根譚」

150: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:40:28 ID:zTq
バルザックは毎日十八時間小説を書いた。本当は小説というものはそういうふうにしてかくものである。詩のようにぼんやりインスピレーションのくるのを待っているものではない。
このコツコツとたゆみない努力の出来る事が小説家としての第一条件であり、この努力の必要な事に於ては芸術家も実業家も政治家もかわりないと思う。なまけものはどこに行っても駄目なのである。
ある画家から聞いた話だがフランスに行って絵描きが何を学んでくるかというと、毎朝必ずキャンバスの前にきちんと坐って仕事を始める習慣だそうである。
この単なる習慣が日本に帰って来てから非常な進歩のもとになるということは日本人のなまけもの気質と考え合わせて面白い事であると思う。

三島由紀夫「作家を志す人々の為に」

155: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)00:52:59 ID:WXu
>>150
耳がいたいなあ

158: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)01:02:06 ID:8JQ
>>150
三島由紀夫は日本人は怠け者や思ってたんやね
テレビなんかは当たり前みたいに日本人は勤勉やいうとるけど明治に来日したお雇い外国人なんかも日本人は怠け者って書いてたし日本人はいつから勤勉になったんやろね

161: 名無しさん@おーぷん 2018/10/13(土)02:45:35 ID:WXu
読みごたえのある良スレ